中古マンションを購入すると、月々のローン返済のほかに維持費を毎月マンションに支払う必要があります。
計算してみると決して少額ではない維持費ですが、このお金は何に使われているのでしょうか?
また、中古マンションの維持費の相場はどれくらいなのでしょうか?
今回は中古マンションの維持費の相場と、維持費から見るマンション選びのコツについてご紹介します。
中古マンションの維持費は「管理費」と「修繕積立金」
中古マンションの維持費には管理費と修繕積立金の2つがあり、どちらもマンションでの快適な暮らしを維持していくには大切な費用になります。では、この2つは具体的にどう使われているのでしょうか?
管理費とは?
管理費とは、マンションの共用部分の管理に必要な費用全般のことを言います。管理費は主に下記のようなことに使われています。
・ゴミ捨て場のごみ収集処理費
・エントランスの清掃
・エレベーターのメンテナンス費用
・駐車場、駐輪場の管理
・設備の点検や交換
・廊下や階段の電灯などの光熱費
・管理人の窓口業務
・管理会社への報酬
例えば最近のタワーマンションの中にはラウンジやコンシェルジュサービスなどが充実しているものも少なくありませんが、そういった共有施設が完備されたマンションは管理費が高くなります。
修繕積立金とは?
修繕積立金とは、マンションの大規模修繕のために入居者から徴収して積み立てている資金になります。
大規模修繕工事とは経年劣化により傷んだ部分を修復してマンションの建物としての寿命をのばしたり、改修によって最新の設備を取り入れたりする工事です。工事内容は主に下記のような項目になります。
・外壁の塗装
・屋根や屋上の防水
・バルコニーの防水
・TV、受信アンテナ、ケーブルなどの整備
・給排水設備の整備
・駐車場、駐輪場の整備
名前の通りマンション全体の修繕を行う大規模な工事になりますので、莫大な資金が必要です。
マンションの劣化状況にもよりますが、一般的に大規模修繕工事は約12年の周期で行われ、一度行ったら劣化が止まるということもないため定期的に行うことになります。安心してマンションに住み続けるためには、大規模修繕工事は不可欠です。
中古マンションの維持費の相場は?
中古マンションの維持費の相場はどれくらいなのでしょうか?
管理費と修繕積立金を合わせた維持費の相場はおおよそ2万~5万円程だと言われています。中古マンションを購入すると、月々のローン返済にプラスして2万~5万円のランニングコストが必要になるということです。
しかし、管理費と修繕積立金は住むマンションの戸数や物件価格によっても変化します。維持費は一般的にマンション全体の戸数が多くなればなるほどひとりあたりの負担面積が減る分安くなる傾向にあります。しかし、500戸以上や20階以上のマンションになると共用施設に豪華な設備が付いたハイグレードマンションも多くなるため、維持費も高くなります。
維持費から見る中古マンション選びのポイント
マンション選びの際はどのように維持費を判断したらよいのでしょうか?
維持費は相場と比べてどうかを見る
ランニングコストは安ければ安いほど嬉しいかもしれませんが、例えば管理費が安すぎる場合、マンション全体の清掃など管理が行き届いていなかったり、入居者に管理の当番が割り振られるなど自己負担が大きくなってしまいます。
マンションの環境や印象が悪いとその後の資産価値にも影響しますので、維持費が安くても結果的に損になる可能性もあります。
しかし高ければ高いほど良いマンションかというとそうでもありませんので、維持費は相場に対して適正な金額かで判断するようにしましょう。
中古マンション購入は維持費のことも忘れずに
マンションの維持費は暮らしを快適にしたり何か起きたとき早急に対処するのに必要不可欠なお金です。
なんのために使われているのかを理解したうえで、コストを考えていきましょう。